文章力を強化したい!と思い、
コチラの本を読んでいました。
文章は真似て学ぶものだと言われます。「真似る」は「学ぶ」だというわけです。
真似るというのは、他者を受け入れることですが、いくら真似をしても自分は他者にはなれません。自分は自分なのです。新しい自分の発見にも繋がりますので、恐れずに真似してみましょう。
と書いてありました。
いきなり文豪が書くような高レベルの文章ではなく、
馴染みのある文章を真似るとよいとも書いてあります。
そこで、思いついました。
他の人のブログの文章を真似して、
自分で文章を書いてみようと。
それが、この本を読んだ具体的なアウトプットであるからです。
今回、真似てみるのは、
コチラのブログ様の文章です。
『もしも桃太郎が~だったら』系で、
自分が真似できるテーマは何かと考えたところ、
思いついたのが題名のとおり
『もしも桃太郎がプロロードレーサーだったら』
です。
ロードレースが全く分からない人でも、
雰囲気が分かるように工夫したつもりです。
それでは、ご覧ください。
もしも桃太郎がプロロードレーサーだったら
昔々、UCIプロコンチネンタルチームでマッサーを務めるおばあさんが、川でサイクルジャージを洗濯していると川上から大きな桃が流れてきました。
↑仕事をするマッサーのおばあさん(イメージ)
「これは良い補給食になるわ。ビタミンも豊富だし。」
そう思ったおばあさんは、大きな桃を拾いチームバスに持ち帰りました。
チームバスに戻り、メカニックのおじいさんがチェーンカッターを使って桃を割ってみました。
すると中から赤ん坊が生まれたので、桃太郎と名づけました。
↑チェーンカッターで桃を割るおじいさん(イメージ)
たくましい青年に育った桃太郎は、血液検査を受けてみると血中ヘモグロビン濃度が常人より高い数値を記録しているため、自転車向きの体質であることが分かりました。
「おじいさん、ぼくはツール・ド・鬼ヶ島で優勝したいんだ。」
そう意気込む桃太郎は、おじいさんが昔乗っていたクロモリのロードレーサーを譲り受け、レースに出場するためにトレーニングをはじめました。
おばあさんからエナジーバーをもらった桃太郎は、トレーニングに出かけます。
↑エナジーバーを食べながら、トレーニングに励む桃太郎(イメージ)
ヤビツ峠でヒルクライムをしていると、後ろからイヌにアタックを仕掛けられました。
桃太郎はカンパニョーロのシフターを巧みに操作して、ギアを2段上げダンシングでイヌに追いつくと、そのままグングン加速してイヌを置き去りにしました。
桃太郎から遅れること2分31秒、イヌは苦悶の表情を浮かべながら山頂にたどりつきました。
桃太郎はイヌにこう言いました。
「いい脚をしている。ぼくのアシストになって一緒にツール・ド・鬼ヶ島に出ないか?」
「わかりました。ジャージの背中のポケットに入ってるエナジーバーを一つくださいな。」
こうして、クライマーのイヌが加入し、チーム桃太郎が結成されました。
↑ダンシングで加速する桃太郎(イメージ)
あくる日、桃太郎とイヌは大井ふ頭で先頭交代をしながらLSDトレーニングに励んでいたところ、トレックのマドンに乗ったサルと出会いました。
サルは桃太郎を見るなり、
「オレとスプリント勝負しないか?500m先の標識の地点に先にゴールした方が勝ちだ!」
と言うなり、下ハンに握りなおして飛び出しました。
「ぼくが好位置まで牽きます!」
とイヌが、先頭に躍り出て、好タイミングで桃太郎を発射すべくトレインを組みました。
手元のサイコンが時速70km/hと表示するなか、
ゴールまであと100mの地点で桃太郎を発射します。
数メートル先行するサルを追いかけ、桃太郎が満を持してスプリント体勢に入ります。
上体を左右に揺らしながら一気に加速し、
サルをかわし前に出た桃太郎は勝利を確信して、天高く両手を上げガッツポーズしました。
↑スプリント勝負を制した桃太郎(イメージ)
「もう脚が残ってませんでした。」
そう話すサルに、桃太郎は言いました。
「ぼくと一緒にツールを目指さないか。」
「わかりました。エナジーバーを一つくださいな。」
移籍話がまとまり、スプリンターのサルがチーム桃太郎に加入しました。
サルの友人であるキジの所属チームが解散するとのニュースを聞きました。
どうやらスポンサーが今シーズン撤退するとのことです。
桃太郎はキジに移籍話を持ちかけました。
「ぼくと一緒に、ツール・ド・鬼ヶ島の頂点を取ろう。」
「ぜひ、お願いします。」
と、キジは二つ返事で快諾しました。
メディカルチェックを受けた後、正式に契約締結しました。
キジの脚質はTTスペシャリスト。
チーム桃太郎の貴重な平坦アシストとしてルーラーを担います。
↑黄色いジャージを着る人物こそ、チーム桃太郎のルーラーを担うキジ、左はツール・ド・鬼ヶ島名物の悪魔おじさん(イメージ)
いよいよツール・ド・鬼ヶ島に出場すべく、グランデパールの竜宮城へと移動します。
ツール103回の歴史において初めて、“伝説の海神の宮”と称される龍の都で開幕します。
鬼ヶ島本島を除く島外での開幕となると、カチカチ山をスタートした99回大会以来4年ぶりとなります。
第1ステージは全長14.8kmの個人タイムトライアルです。
↑グランデパールの竜宮城で行われた個人タイムトライアル(イメージ)
この日の最速タイムは、区間平均54.388km/hで駆け抜けた金時レーシングの金太郎です。
第1ステージを制し、マイヨジョーヌを獲得しました。
期待された地元・竜宮バンクの浦島は中間計測ポイントで首位に立ったものの、最終的にトップから11秒遅れの3位でフィニッシュとなりました。
総合勢では、オーガテレコムの赤鬼が28秒差の12位、チーム桃太郎の桃太郎が34秒差の14位、とんちプロサイクリングチームの一休が41秒差の17位、キャノンデール竹取のかぐやは2分15秒差の81位と遅れをとりました。
第5ステージで桃太郎チームのサルがスプリント勝負を制しステージ勝利を挙げます。
これがサルにとってツールのキャリア初勝利となります。
レースが動いたのは、山岳ステージ緒戦となる第7ステージです。
78km地点で起きた集団落車の影響で後方に総合上位陣が取り残される中、この時プロトンの先頭を牽いていたオーガテレコム勢は、カチカチステップと協調し集団を引き離しにかかります。
これが波乱を呼ぶことになりました。
通常、落車等の影響で総合上位陣が後方に取り残された場合、ペースを落としてプロトンの合流を待つのが暗黙のルールであります。
レース後のオーガテレコムの青鬼は
『(落車があったとは)気付かなかった。オーダー通り山岳の手前まで先頭を牽いたまでだ』
と発言したことで物議を醸しました。
↑集団落車に巻き込まれるチーム桃太郎の面々(イメージ)
戻ってレースでは、後方に取り残されたチーム桃太郎・竜宮バンク・金時レーシングらが交代しながらプロトンを牽き先頭集団を追いかけますが、TTスペシャリストを揃えるオーガテレコム・カチカチステップ勢に追いつくことは出来ず、赤鬼含む先頭集団から遅れること3分18秒でフィニッシュしました。
この日まで総合1位だった金太郎は後方集団でゴールしたため、マイヨジョーヌは赤鬼に移動しました。
赤鬼は桃太郎に3分24秒差をつけることに成功しました。
その後一進一退の攻防を続けるも、赤鬼のリードは揺らぎません。
総合1位の赤鬼、3分13秒差の2位の桃太郎、3位は4分03秒差の一休という戦況です。
迎えた第19ステージは超級山岳1つを含む、獲得標高4320mに達する今大会のクイーンステージです。
翌日の最終ステージは暗黙の掟により総合バトルは行われないため、事実上103回大会のツール覇者がこのステージ決まります。
赤鬼から3分以上差をつける必要のある桃太郎は、最後の奇襲をしかけます。
最初の3級山岳にて、チームメートのイヌが単独アタックします。
↑3級山岳にてアタックを仕掛けるイヌ(イメージ)
集団をコントロールしていたオーガテレコムのアシスト陣は、チーム桃太郎・とんちプロサイクリングチーム・キャノンデール竹取ら総合上位陣による連日の度重なる攻撃に疲弊しており、このアタックに反応できません。
イヌは快調に飛ばし続け、集団に最大12分差をつけ、超級山岳もクリアします。
この時点で、イヌはマイヨアポワルージュを確定させました。
勝負は最後の山頂ゴールとなる“悪魔の山”ラルプ・デーモンの登り13kmです。
↑ラルプ・デーモンを登るプロトン(イメージ)
最大斜度20%に達する激坂に、あっという間にセレクションがかけられ、先頭を単独で走るイヌ、そして30秒差で赤鬼・桃太郎・一休・かぐやら小グループが形成されるという状況になりました。
桃太郎、一休、かぐやは断続的にアタックを仕掛けますが、赤鬼は崩れません。
ラスト5km地点、桃太郎は最後の勝負に出ます。
『桃太郎さん!』
その声の主は、先行していたイヌです。
最後の山で桃太郎をアシストするために、イヌは序盤からアタックして先行していたのでした。
↑桃太郎、一休、かぐやのアタックをしのぐ赤鬼(写真左から2番目)(イメージ)
度重なるアタックを赤鬼に防がれ疲弊している桃太郎を、イヌがアシストします。
単独で超級山岳3つを含む山を越えて来たイヌの体力は残りわずかです。
ふり絞りながら激坂を上るイヌの姿に、桃太郎は風よけ以上の力をもらいました。
『桃太郎さん、、、あとは、、任せました、、、』
と言い残し、イヌは減速します。
無言でうなずいた桃太郎は、フロントギアをアウターにかけ直し、最後のアタックに出ます。
斜度15%に達するであろう激坂での渾身のアタックに、赤鬼も一休もかぐやも反応出来ません。
桃太郎のアタックが決まります。
↑渾身のアタックを決める桃太郎(イメージ)
ゴールまで残り5km地点、3分以上のビハインドをひっくり返すために、桃太郎は全力でペダルを回し続けます。
『息が苦しい、、、脚が千切れそう、、視界がぼやけてきた、、』
桃太郎は苦しい表情を浮かべながらも、スピードを緩めまず、ペダルを踏み続けます。
『Allez! Allez! Momotarou!(行け行け桃太郎!)』
沿道の観衆からの声援は鳴りやみません。
↑ファンの熱い声援を受けながらぐんぐんとリードを拡げる桃太郎(イメージ)
ふと視線を路上に落とすと、地面には
「Go Go 桃太郎!」の白い文字が見えます。
ハートレートモニターは186回/分と表示されていました。
HR限界に近い、全力の登坂は続きます。
ラスト1kmの赤いアーチをくぐり抜け、後ろを振り返ると、赤鬼と一休の姿は見えません。
スピードを緩めることなく、大歓声に迎え入れられながら、今大会の最難関ステージを先頭でゴールしました。
↑今大会のクイーンステージを制した桃太郎(イメージ)
死力を尽くした桃太郎はゴール直後、昏倒し倒れかけたところを、チームのスタッフが慌てて支えました。
1分経過しました。
『歓声が聞こえないということは、赤鬼はまだ来ていないのか。』
テントの中で横たわる桃太郎の耳に聞こえるのは、観客のざわめきのみ。
2分経過しました。
『時が経つのがこんなに遅く感じるものなんだな。』
待つしかない、桃太郎には永遠のような時間に感じられました。
↑ゴール直後、疲労困憊の桃太郎(イメージ)
3分経過したころ、
沿道の観衆から大歓声が沸き起こります。
赤鬼たちがゴールに飛び込んで来たようです。
『結果は、、どうなったのか、、』
桃太郎がつぶやくと同時に、メカニックのおじいさんがテントに飛び込んで来ました。
『桃太郎!やったぞ!逆転だ!』
赤鬼は桃太郎から遅れること、3分31秒でフィニッシュ。
桃太郎は赤鬼に18秒差をつけることに成功し、総合逆転しました。
朗報はチーム無線を通じて、グルペットを走るイヌ・サル・キジにも伝わりました。
『桃太郎さんやりましたね!』
『アイツならやるとおもったぜ!』
チームメートも喜び合います。
翌日の最終第20ステージでは、総合争いは行われないため、
本ステージ終了時点での総合1位が実質的にツール・ド・鬼ヶ島の覇者となります。
表彰式では桃太郎がツール初出場にして、念願のマイヨジョーヌに袖を通します。
↑マイヨジョーヌに袖を通す桃太郎(イメージ)
『目標としていた、憧れのマイヨジョーヌを天国にいるおばあさんに捧げます。』
おばあさんは半年前に交通事故で他界していました。
『お見事!敵ながらあっぱれだ。』
赤鬼も手放しで称賛します。
『最後の山はついて行くだけで精一杯でした。』
とは、総合3位で表彰台を確定させた一休のコメントです。
『車体に隠しモーターが仕込んであるんじゃないかと思うくらい、最後の桃太郎のアタックは速すぎた。』
最後の山にて途中までアタックについて行ったかぐやのコメントです。
↑表彰台に立つ総合上位3名、左から赤鬼・桃太郎・一休(イメージ)
こうして宿敵・赤鬼を退け、ツール・ド・鬼ヶ島を制した桃太郎は、翌年のツールも制覇し、史上初の3大グランツール同年制覇する偉業を成し遂げましたとさ。
めでたしめでたし。
※なお、赤鬼は休息日に受けたドーピング検査で採取された尿サンプルから、微量な禁止薬物クレンブテロールが検出されます。
その後、鬼ヶ島自転車競技連盟は赤鬼の無罪を宣告しますが、UCIとWADA(世界アンチドーピング機関)はCAS(スポーツ仲裁裁判所)に上訴し、無罪の無効を求めました。
この結果、CASは赤鬼に2年間の出場停止処分の裁定を下し、103回大会のツール総合2位ははく奪されましたとさ。
↑ドーピング問題について、釈明会見を行う赤鬼(イメージ)
あとがき
真似るって難しいですね!
結局元ネタからかけ離れてしまいました。
途中からほとんど自転車ニュースのサイトを参考にしていましたし。
何となく、ロードレースの熱さが伝われば幸いです。
もはや主旨が変わっていますが。
『必ず書ける「3つが基本」の文章術』には、
他にも様々な具体的なテクニックが載っています。
実際に書きながら、本書を見直すことで、
句点の打ち方や、一文の長さ、表現の言い回し等の勉強にもなりました。
『必ず書ける「3つが基本」の文章術』もとても良かったので、ぜひ読んでみてください!
(2016.2.9追記)
本エントリーは、ひたすら自転車の要素を詰め込んだものです。
いろいろモデルとなった実在の人物や実際の出来事はありますが、
例えば桃太郎は誰かモデルがいるわけではありません。
しかし、個人的にアンディ・シュレックが好きだったので、
読み返すと桃太郎=アンディ・シュレックなイメージはありますが、
意図して書いたわけではありません。
桃太郎はTTもスプリントもそつなくこなせる設定で、
アンディはピュアクライマーよりのオールラウンダーなので、
そういった違いは出てきます。
ステージ構成もかなり適当で、
ツールの山と言えばラルプ・デュエズでしょう!
そして最終日前日にラルプの頂上ゴールで総合争いはアツい!
って感じで、書きました。
なので、細かい設定の矛盾や、事実との食い違いとかはスルーでお願いします。